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千葉商科大学教授 伊藤 公一(いとう こういち)
 


プロフィール
 
昭和38年一橋大学経済学部卒業。
昭和49年慶應義塾大学大学院経済研究科博士課程終了。
昭和50年千葉商科大学専任講師。
昭和52青山学院大学経営学部兼任講師(〜平成11年)。
昭和53年千葉商科大学助教授。
昭和60年千葉商科大学教授、現在に至る。(専門分野は中小企業論、商業政策)。
昭和63年イギリスのロンドン大学・ケンブリッジ大学客員研究員(〜平成元年)。

 日本学術振興会第118産業構造・中小企業委員会委員(幹事)、日本中小企業学会前会長(平成10年〜平成13年)、日本経済政策学会幹事、千葉県大規模小売店舗審議会委員等を務める。
 

主な著書
 
「大店法が消える日」(日本経済新聞社 1990共著)
「90年代中企業はどうなるか」(日本経済新聞社 1990年共著)
「日本の中小企業」(東京大学 1989共著)
「街づくりのシナリオ」(日本経済評論社 1994共著)
「中小企業と街づくり」(大月書房 1995共著)など多数
 


概況

(1)概要
 問屋が連合組織をつくり、その組織体がITを活用して、まず消費者直販を行うというBtoC型のビジネスモデルを立ち上げ、さらには、このモデルを小零細小売店との取引すなわちBtoBにも用いる。この団体を問屋ダイレクトコンソーシアムと称する。
(2)事業内容
 企業標準オンラインショッピングモールを構築する。ホームセンター等で販売される日用雑貨品等から、通常の小売店にはない商品 までを含めて豊富に品揃えし、ネット販売する。

目的

 長期不況下に、小売業の売上・収益は低迷するなかで、業績が落ち込む問屋が少なくない。そうしたなかで、「メーカー直販」とか「問屋中抜き」が言葉として、また実際にも広がりつつあり、卸売業界全体に危機感が漂っている。
 そうした現状ににもかかわらず多くの問屋は突破口を見い出せないままでいる。打開のひとつの方策として、最近では店頭で小売をする問屋も増えてはきたが、それでも取引先の小売業者からの圧力からなかなか消費者販売ができないのが実情である。一方、ITの進展でネット取引は、今後ますます伸びていくことが予想されるにもかかわらず、卸売業全体のIT関連事業への参入はコストや人材の面で二の足を踏んでいるばかりか、ITの活用でどのような新境地が開かれるのかを見い出せないでいる。そこで、ITの活用による新しい問屋の在り方を深求することが大きな目的であった。

 新しい問屋の在り方として考えたことは、第一に問屋本来の機能を再認識してこれを強化し、それによって大手メーカー・大手小売企業依存あるいは従属の体質を脱却した「自立」的問屋を指向する。第二に、そのための手段としてITをどのように活用したらよいか、である。
 第一の点については、大手小売業の扱わない商品の取り扱いや中小メーカーの商品の発掘と育成である。問屋コンソーシアムは、「おいてきぼりの商品」、「一軍にあがれない商品」、「日の目を見ない新商品」の取り扱いを重視する。問屋とは本来こうした機能を具備しているはずであるが、その機能は、大手小売企業主導の品揃えによって喪失しつつある。そこに消費者の大型店の品揃えに対する不満がある。この機能の発揮は、取引先の中小零細小売店に対しても大型店との差別化において有意義である。

対象範囲

 事業の対象は問屋(卸売業者)である。開発したビジネスモデルの成果をインターネット上で公開し、今後の参加企業を増やす方向をとる。

効果

 平成14年1月の時点では、外部委託したビジネスモデルの策定はほぼ完成しているが、事業化はこれからである。モデル策定の過程における効果と今後期待される効果としては、次の点が上げられる。
  1. 問屋のサバイバルのひとつの方向が示され、自信を失いかけている問屋の活性化につながる効果がある。
  2. IT対応がしたくてもコスト・人材の面で困難な個々の中小問屋が、コンソーシアムに参加すれば、IT活用のメリット(特に人件費節減と販路広大)が得られる可能性がある。
  3. 問屋特に中央の大手問屋は取引コストの面から、月商100万円以下の小零細小売店との取引をしたがらないので、こうした小零細店は淘汰されつつある。問屋コンソーシアムのビジネスモデルでネット取引すれば、小零細店は仕入先の確保ができる。
  4. 問屋コンソーシアムに参加する問屋は、前記のように、自社名で消費者に直接販売するのではないから、小売業者との摩擦を気にしなくて済む。
  5. 中小メーカーや地場生産者にとっては、問屋機能の再確認を理念とする問屋コンソーシアムは重要な販路となる。

今後の課題と展望

 このビジネスモデルの事業化にあたって、クリアーしなければならない課題はまだあるが、関係者は「ニーズに合わせた継続的ビジネスモデルの発展」を意識している。今後の発展に期待したい。
 

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